昔々のことです。エチオピアのカファ地方の小さな村にヤギ飼いの少年が住んでいました。少年の名はカルディ、勇気と行動力のある働き者の少年です。ある日、カルディがいつものようにヤギの群れを連れて出かけたところ・・・
世界中の人たちが毎日飲んでいるコーヒーは、誰がどこで見つけたのでしょう?

今、私たちが飲んでいるコーヒーのほとんどは、農園で栽培されている改良されたコーヒーです。ここエチオピアに来て驚いたのは、森林の中に天然のコーヒーが点在し、昔ながらに住民がコーヒー豆を摘み取り生計を立てていることです。コーヒーと住民のかかわりは、このカルディの物語にあるように何百年にも渡ってつづいており、地域の日と他h氏は今も昔と同じ古代のコーヒーを飲んでいます。
このような森林で採れるコーヒーは遺伝資源としても価値が高く、コーヒー原産地としての歴史、天然の森林コーヒーとしての希少性、古代から森林と共に生きる人々の暮らしと文化を考えると、世界最古のコーヒーを有する森林を保護していくことはとても重要です。

この本は、アフリカを取り巻く環境・資源保護の問題、またコーヒーで暮らしを立てる人々への共感、関心を持ってもらうことを目的としています。