アフリカの魅力の渦、人と暮らしに溶け込む旅 −ギニアビサウ− 【プロフィール】 松本 あづさ(まつもとあづさ) 1971年6月9日生 「アフリカを見たくて、アフリカに行きたくて、そして2007年5月から世界旅を始めました」 大学院薬学研究科修士修了後、医療系予備校講師へ。結婚と退職から世界旅へ。バックパッカー旅をしながらも、医学、薬学、旅、暮らし関連の著述に携わる。ホームページ「旅して」URL : http://tabisite.com/(サイト内にメールフォームあり) ■2通目の手紙 こんにちは。私は2007年よりアフリカ旅を始め、ブラックアフリカは戦争中のエリトリアのみ残し完全訪問できました。1年以上もアフリカを旅する私に、友人は「アフリカって何食べるの?」、「トイレはどうするの?」、「ホテルはあるの?」、etc、色々な疑問を寄せてくれます。 その答えは、特に西アフリカや中央部アフリカなど土着的なアフリカの旅の“大きな魅力”と私が確信するものと重なります。だから今回、写真を交えて「アフリカ旅」の良さとイメージが伝えてみたく、2通目の手紙を書いています。 ■移動する ・ミニバス(ワゴン車) 移動の主たる方法はミニバスです。助手席に2人、3人がけに4人5人と詰め込み当たり前。時刻表はなく満席になったら出発。荷物過剰積載もアフリカ、所要8時間の道に30時間かかるのもアフリカ、そうしているうちに地元の人と仲良くなるのもアフリカ! ・船 川に橋がなかったら、もちろん船。人力フェリーもあり、丸木舟もあり、人々のライフラインが垣間見れます。 ・待ちぼうけ 都市をつなぐ旅は楽ですが、アフリカが面白いのは地方です。辺境の道に心奪われると、時に移動手段は稀に通るトラックなどのヒッチハイクだけになったりします。この写真は、地図にない道でギニアに行くために11時間の待ちぼうけ。 ■泊まる ・宿 アフリカの宿はアジアよりも高い傾向にあります。西アフリカの最安で2人1室1000円は下りません。ベッドだったり、写真のようなマットレスだったり。マラリア流行地帯なので蚊帳(かや)つきなら有り難い。 ・ろうそく 電気のない地域を旅することもしょっちゅう。そうなるとやることがろうそく眺めしかない(笑) ・トイレ アフリカのトイレは下手な先進国のトイレより気持ちいいのよ。屋外だから匂いがこもらないし、土壌と接するからすぐに細菌が分解してくれます。写真のような匂いが広がらないポットン式が多いです。写真の穴は直径15cm位。 ■買う/食べる ・路上ごはん屋 これ!これ!これがアフリカ旅! こういう路上ごはん屋には本当にお世話になります。米が多く日本人には良い栄養配分です。安いと50円くらいから。100円くらいが多いかな。 ・路上焼肉屋 路上の焼肉屋も本当に多いですね。炭火で肉を焼いて、マギーアロマ(醤油風液体調味料)や塩をかけ、紙に包んでくれます。100円くらいから買えます。 ・売り子さん アフリカンショッピングなら、売り子さんと地元の言葉でやりとりするといい。食糧も日用品も、いろいろな人が売りに来ます。私たちは食糧以外には腕時計(250円)やかゆみどめ(10円)を買いました。 ■人と暮らし ・民家 かやぶき風の家。これを見ると「ああ今旅してるんだなあ」っていつも嬉しくなります。こういう住居は西アフリカに多く残りますが、宿でこの形をしているものは滅多にありません。 ・屋外キッチン 造りが質素な家ほど外の土の上が調理場になります。炭火で調理するのが基本。かつシンプルな調理法で美味しさを引き出すことを知っています。プリント生地の女性の服も、アフリカらしさの典型の1つですよね。 ・子供たち これもアフリカ旅の象徴だなあ。屈託がなくて可愛い。こういう子供が大人になるのですから勿論大人も屈託なく可愛い。ともあれカラリとした人々の笑顔こそブラックアフリカの魅力です。 ■アフリカの旅の魅力 東京の、アフリカの国の料理店で会ったアフリカ人(客)の言葉。「ヨーロッパやアメリカには日本と同じものが沢山ある。でもアフリカには日本と違うものが沢山ある。旅に出るなら日本と違うものをいっぱい見たらいい。」・・・うん、それすごくいい言葉!! 私の気持ちも簡単!「アフリカ行ってみて!人と暮らしに溶け込んできて!」という想いがこの手紙に託すテーマなのです。 勿論、人々は日々を明かし暮らす(同じ毎日を送り続ける)以上、地元の人を尊敬してその中に入っていくべきであることを忘れてはいけません。でもそうした上で、家族のあり方や暮らし方、生きる本質、そういった“何か”に共感できたなら、その共感1つが、自分の未来を変えてくれるのです。自然光の下、人と暮らしに溶け込むことは素敵です。私は、より多くの人がこんなアフリカの魅力に触れてもらえたらと思っています。 なお写真は全てギニアビサウで撮影したものですが、これらはブラックアフリカ諸国の共通の光景でもあることを最後に付記しておきます。 写真・文:松本あづさ 2009/7/12記