元地図:http://www.nishi-shinjuku.netより引用 |
外務省ホームページhttp://www.mofa.go.jp/より引用 |
マラウィのこと
マラウィは南部アフリカに位置し、東と南をモザンビーク、西をザンビア、北をタンザニアとそれぞれ国境を接しています。面積は日本の3分の1以下ですが、このうち約20%は、国の東側にあるマラウィ湖で占められています。そこに約1,000万人が住んでいます。
日本には馴染みの薄い国ですが、愛煙家の方々はこの国の名前を覚えておく必要があると思います。マラウィのたばこは国の主要輸出産品で、日本も相当量輸入しているからです。
マラウィの食糧
マラウィの主食はトウモロコシです。国の農地面積の約半分をトウモロコシが占めているから、日本にとってのコメのような位置づけでしょう。しかし、トウモロコシの生産性は低く、国の人口を養うだけの食糧生産は達成できていません。この他、地域によってはサツマイモ、キャッサバ、コメ等、他の澱粉作物も作付けされていますが、これらの生産も十分ではありません。これに洪水や干ばつなどの自然災害も加わり、マラウィは毎年のように外国から食糧援助を受けています。
コメの生産
マラウィではコメも作られています。主な生産地は南部の低地及び東部マラウィ湖畔の低地ですが、栽培面積は6万ha程度で、日本の200万haと比べてみても、決して規模は大きくありません。それでも、これまで利用されていなかった土地の効率的利用を推進するという国家政策に倣い、低湿地(ダンボ)におけるコメ栽培が奨励されています。日本政府も無償で灌漑施設を建設したり、専門家を派遣したりして、コメの生産を支援する活動をしています。
コメ作りの大敵
私は1999年2月にマラウィ湖畔でコメ栽培をしている村の一つを訪れました。水の調節が全く利かない低湿地で、農民達は雨季の氾濫原を利用して水田耕作を行っていました。そこでの有利点は、有機物を多く含む黒色の細粒質の土壌であり、肥沃度が非常に高いため、肥料を与えなくても生産性が高いことでした。
しかし、村の人から話を聞いてびっくり。その村には、思いもよらないコメの大敵がいたのです。カバです。マラウィ湖畔に多数生息するカバは、夜行性で、草食です。夜な夜な水田に出没し、折角農民が植えたイネを食するといいます。カバは大食で1日に数百キロもの草を食べると言います。そんなカバに毎晩イネを食べられたらたまりません。農民は見張り小屋を作り、毎晩カバの番をし、カバが現れるとバケツをたたいたり、大声を出したり、松明を焚いたりして追い払う努力をしていますが、効果はそれほどではないようで
す。
イネを栽培する時期は、他の作物を栽培する時期に重なり、農民達にとってとても忙しい時期なのですが、同時に前作で収穫した食糧が底をつきはじめる時期でもあり、十分食べることが出来なくなります。そんな時期に、毎晩のカバの見張りは彼らの体力を消耗させ、日中農作業に回すエネルギーを少なくしてしまいます。
被害が深刻な場合、農民たちは政府に頼んでハンターを雇い、カバの駆除を行うということです。日本でも最近、イノシシやサルによる農作物への被害が多く報告されていますが、人間と野生動物との共存や棲み分けはとても難しい問題です。
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