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ウガンダのブログ

バナナ日記ウガンダ編
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<雹が上がった後のウガンダのトウモロコシ畑>

ウガンダ―赤道直下の国で雹に会う

君島崇さんのプロフィール
 (株)レックス・インターナショナル所属の農業開発コンサルタント。コンサルタン トの仕事は、発展途上国で、その国の政府職員と一緒に働きながら地域開発や農業開 発に関わる計画を立て、それを報告書にまとめるとともに、仕事を通じ、専門分野の 知識、調査の方法、計画の立て方等を一緒に働く政府職員に技術移転すること。一年 の約半分は海外でコンサルタントとして過ごし、日本では長野県穂高町で0.4haの田 畑を耕す百姓暮らしを実践中。家族は妻と娘二人、牝猫一匹。おらの作るコメはサイ コーだぁ。



元地図:http://www.nishi-shinjuku.netより引用


外務省ホームページhttp://www.mofa.go.jp/より引用

ウガンダの紹介
 アフリカにある小国、ウガンダという国をご存じですか?東をケニア、西部をコンゴ民主共和国、南部をタンザニア及びルワンダ、北部をスーダンとそれぞれ国境を接する、日本の本州とほぼ同じ面積(24万km2)を持つ内陸国です。ただし、面積の20%以上は水域となっています。人口は2,300万人余です。

 ウガンダは大地溝帯に挟まれたアフリカ東部高地帯に位置しており、ほぼ赤道直下にあるのですが、標高1,300mにある首都のカンパラは、1年を通じて最高気温が30度前後、最低気温は20度を大きく割り込み、過ごしやすいところです。南にはビクトリア湖、中央部にはキヨガ湖がある一方、西部には標高5000メートルを越えるルウェンゾリ山をはじめとする山岳地帯、さらには東部にはケニア国境を分けるエルゴン火山など、地形の変化に富んでいます。南部及び西部は年降雨量が1,000mmを越え、東西の国境に沿って火山があります。土壌は一般にアフリカの中では、非常に肥沃です。このため、ウガンダは作物の生産性が高く、そのために人口密度も高くなっています。

 ウガンダの人達の主食は、地域に応じて変化し、南部や西部の雨の多いところでは食用バナナ(澱粉質の甘くないイモのような食感のバナナ(現地ではマトケと呼ばれています);ふかした後に潰してマッシュポテトのようにして食する)、北部の雨の少ないところではソルガムやミレット等の穀類となっています。また、ヤム、キャッサバ、サツマイモは丘陵地で、東部の低地ではコメも栽培されています。

 ウガンダでは労働人口の80%以上は農業に従事しており、輸出額の85%はコーヒー、チャ等の農産品によって占められています。日本へは北部地域で生産されるゴマやビクトリア湖およびキヨガ湖で捕れる白身の魚が大量に輸出されています。
赤道直下で雹が降った!

 私は2000年4月から6月にかけてウガンダに2ヶ月滞在していましたが、そこで信じられない体験をしました。なんと雹が降ったのです。それも1週間の間に3回もです。 3回目の雹は特にひどく、突風と共に、約30分間で50mm以上というすさまじい集中豪雨に交じって最大直径2センチほどの雹が降りました。時間雨量にして100mmを越えるような豪雨は日本でも経験したことがありませんでしたが、視界が20m以下となり、排水路はあっという間にあふれました。

 豪雨が去った後の畑は悲惨な状況でした。莢が大きくなり、あと10日もすれば収穫を迎えるはずのインゲンは雨の勢いで倒伏し、葉は雹で穴だらけ、豆の葉をちぎった時のあの生臭い香りが畑を覆っていました。これも実が稔り始めたトウモロコシは突風のために傾き、雹のために葉は葉脈に沿って縦にずたずたに裂けていました。また、熱帯作物のキャッサバやパパイヤは葉柄を残し、葉身はほとんど落ちてしまいました。キャッサバは葉が衝撃を受けると何らかの物質が形成されそれが地下部のイモへ移行し、イモの味が落ちるといい、植え直しが必要だと聞きました。

激しく降るの雹の中

 


農業の厳しさを再認識する
 農業普及員に聞いたところ、今回のようなひどい雹は初めてだが、あることはあるといいます。経営規模の小さな農民たちは、この被害で心を痛めているに違いありません。ほとんどの作物は播種し直さなければならないので、費用と労力がかかります。それに、収穫時期がさらに遅れるため、食糧不足の心配もしなければならないのです。

しかし、この日の雹による農作物への被害についてはニュースや新聞等で報道されることはありませんでした。日本では雹の被害はすぐに全国版で報道され、すぐに被害額が推定され、これを基に保険が下りたり、救済策が検討されるのに。そう、ウガンダには自然災害に遭った農民に対する救済システムは存在しないのです。

途上国における農業の厳しさをあらためて実感した出来事でした。

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