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アフリカを教室に
話すときのヒント出典:JOCVクロスロード2001・9「出前授業のコツ」より抜粋


 


■ その国の、まさに「今」とは?

生徒たちが聞きたいのは、その国の「今」。歴史の授業や地理の話になってしまうと、子どもは感動しません。ちょっと本で読んで、分かったふりをしてしゃべってみようというのは、もっとも悪いパターンです。体験したこと、そのまま子どもにぶつけないと、子どもは心をうごかしません。本物の感動、自分で本当に感動したことだったら、ぐーっと聞いてくれます。

■ その国の暮らし方については、親しかった人を主人公にして具体的に話す

あなたが親しかった誰かを主人公にして、その暮らしぶりを話してみると、がぜん話に現実感が出てきます。例えば、ハッサン君という青年がいたとします。そのハッサン君が18歳で、8人兄弟の次男坊で、というとなんだか鮮やかになっていきますよね。ハッサン君の住まいはどんなところにあって、その家はどんな風か。そのハッサン君は、何時間勉強して、家では何をしているか。こういうことを「ハッサン君」の固有名詞で、ずっと説明していく。そしてそのハッサン君に自動車整備を教えていたとなれば、まるで、その場に自分も居るようにイメージできます。

とにかくやりがちなのは「私が、僕が」と、自分の話ばかりをしてしまうこと。その国の人に、語らせるようにしたときにやっと暮らし方がしゃべれるのだと思います。それをしない限り子どもたちはおもしろくともなんともありません。このときにハッサン君のスライドがあればもっといい。その国の風景や様子を知ってもらうには、スライド写真を使うのがいい。

■ スライドを使うコツ

スライド1枚で1分ぐらいの話が目安。スライドを何十枚も持ってきて、「あ、これどこどこです。はい次。これもどこどこです」となん画面も流す人がいますが、あれは最悪。場合によったらスライドを使うのは、例えば5枚〜10枚、印象に残るものを厳選して使う。

■ 活動した内容を話すのは難しい

喋っちゃいけないことはシステムの話。システムから話す人が多いのですが、みんなが聞きたいのは仕事の現場の話で、システムの話ではありません。例えば、医療現場にいたのなら、病人が何時間も歩いて病院に来た話とか、お金がないないから手術ができなかった、といった具体的な話をすること。「病院には大・中・小と格付けがあって・・・」といったシステムに興味を持つのは、専門家だけ、子どもたちは退屈するだけ。

■クイズ形式は避けたいが

記事の中では、クイズ形式よりも本物を用意し て(例えば下痢を撲滅するのに有効なORS:経口補給塩などの実物)質問する、となっています。教材では本物は難しいですが、現地でしか見られないものを写真にとり、クイズとして入れるのは、興味を持ってもらえていいのではないかと思います。


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