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エチオピアコンピュータ事情 ルワンダ「千の丘の国」:山ア 瑛莉

【プロフィール】 山崎 瑛莉 (やまざきえり) (有)Early Bird 所属。 アフリカ料理をアレンジして提供するアフロフレンチレストランTribes(http://www.tribes.jp)のシェフ見習い。その他、民族楽器販売、教育事業推進、そして現在「ルワンダプロモーション」と題した事業を展開中。 アフリカの文化を日本に伝え、新しい価値観を創造することを目指す。 まだまだひよっこ。急がば回れ、ゆっくりしっかり人生を過ごしていきたいと思っている。

ルワンダ

ルワンダ「千の丘の国」

その旅の間、ガイドブックは手元になかった。地図を持たずに、知らない町を歩いたことがあった。 だろうか。「まっすぐ行って左に曲がって、三つ目の角を入るんだよ。」これが、普通の道案内。 「あそこは・・・・うーん。道なりに坂をのぼっていって、“左側”の道を入って、ガソリンスタンドが あるほうの道に入っていったところなんだけど・・・ま、行けばわかるよ。」こんな道案内もある。

ルワンダは「千の丘の国」と言われるほど、坂の多い国だ。シンプルな作りの空港を降り立ったそのときから、目の前に広がるのは丘、丘、丘・・・町もそんな丘の中にあるから、坂がとてつもなく多い。なだらかに続く道ばかりなので、道案内もずいぶん曖昧になってしまうのである。田畑はほとんど段々畑で、家々も日当たりが良さそう。道は舗装されていて、車がびゅんびゅん走っている。二車線の脇は歩道だが、信号がないので、まるで高速道路の脇を歩いているようだ。時折、蛍光色のジャンパーを羽織った運転手のバイクタクシーが、ハイヒール履きのお姉さんや、いかついおじさんを後ろに乗せて走りすぎていく。

■今のルワンダを見たい
日本でルワンダ大使にお会いしたことをきっかけに、虐殺というイメージだけではない、“今の”ルワンダを見たいと思い、とにかく実際その場に行ってみるのが目的だった。街中を歩くと、頭や身体に大きな切り傷を持った人や、手足のない人をよく見かける。高価な車が走る道のそばには、崩れかけた家が連なっているし、夜になれば道路の電燈以外の光が見えない地域が広がっている。10数年前の出来事はまだ、歴史ではない。

でも、日本が変化しているように、ルワンダも大きく変わっている・・・変わろうとしている。日本では映画の影響で「虐殺」のイメージばかりが再認識されてしまったのではないかと思う。現に行ってみて、いや違う、そればかりではない、ということをほんの少しでも自分の目で見てこられたことは、よかった。アフリカは、どうしてもマイナスイメージが大きくつきまとっていると思う。貧困、飢餓、エイズ、内紛・・・確かにこれらは忘れられない問題だ。でも、それだけではない、わくわくするようなアフリカがある。私たちが忘れかけているような、温かい言葉の掛け合いや、雄大な自然や、ゆったりとした時間の流れを持つアフリカがある。ポジティブな面を持つアフリカを知ることができれば、おのずと遠いアフリカが近くに感じられる。近くに感じれば、その問題も見えてくる。

■観光国としてのルワンダ
ゴリラへの道、所要時間3日 ルワンダは自然が美しい。農業国であるため、切り開かれて段々畑になってしまっているところも多いが、ゴリラの住んでいる山々はまだ、緑が多く残っている。竹林や高原は、日本とよく似ている。そんな山の中に悠々と暮らすゴリラ。彼らに会いに行くためには、キガリ市内の観光局でツアーの申し込みをしてから山のふもとの公園事務所に行く。

アフリカへの想い

ゴリラへの道、所要時間3日。
1) ORTPNでツアーの申し込み(希望日・名前の確認)、支払い($375。ルワンダフランも受け付けてくれるが、ドル払いのほうがスムーズ)
2)ツアー前日、近くの町へ行き、一泊 B
3) 朝7時公園事務所集合、出発

ルワンダ:ゴリラ

実にあっさりしている。当日は朝早い出発なので、先にキガリからルヘンゲリという街に移動しておくと気持ちがらく。ルヘンゲリはキガリから毎日数本出ているバスに乗って2時間ほどなので容易に行ける。

朝7時。 ルヘンゲリを出発してオフロードをランドクルーザーで揺られ約30分、公園事務所へ。名前の確認とグループ分けを経ていざ出発。この時点で標高2800メートル、高山病を避けるため急がずゆっくりゆっくり上る。グループはガイドとソルジャーが誘導して進む。ツアー客が5〜6人のグループになり、ガイド一人とソルジャーが3〜4人つくので、全部で10人前後のまとまりで動く。場所にもよるけれど、山道は急で厳しいところもある。ガイドたちの手を借りながら、くねる木をくぐったり、すべる丸太を渡ったり、茂る草をかきわけたりして進む。

歩くこと約1時間半。ガイドたちがゴリラの声真似をし始める。リュック等の荷物をまとめて置いて、ゆっくり進むと・・・出会った。朝、ほかのゴリラと格闘をしたばかりで口のまわりに血がついたままのシルバーバック。ゴリラグループの長だ。標高3000メートルを超える山に、ゆったりと、生きていた。もちろん、こんなふうに観光客が毎日やってくるから、人間には慣れている。それでもこちらとしては、ひぃひぃ言いながら登ってやっと出会えたことに充実感と喜びを味わい、にわか写真家になることは否めない。そんな彼らに、「ルワンダにもまた来いよ」と言われているようで、これまでのルワンダのイメージを変えずにはいられなくなるのである。

■アフリカへの想い

もともと国際問題に興味があり、大学で始めた国際協力サークルを通してNGOや国際機関の方々とお会いする機会があった。そこで関わることになった『アフリカの叡智プロジェクト』をきっかけに、アフリカについて学ぶうちにアフリカへの想いが募るようになっていった。在日のアフリカの人々のお話、映像で見るさまざまな文化や豊かな自然、どんどんアフリカ好きへのつぼに引っ張り込まれていった。

つい体を揺らせてしまう太鼓のリズム、ゆるやかで色々の美しい布、地平線に向かって広がる大草原・・・どうしても、自分で会いに行きたいと思った。そして、一年 の片思いを経て、やっと念願かなって現地に迎え入れられたのだ。アフリカ経験者が口をそろえて言う「行ってみなければわからない」土地。日本でもその文化を垣間見ることはできるが、その場で自分の五感を使ってアフリカの空気を吸収したかった。日本で私ができることとして選んだ食文化の提供という仕事をするうえで、よくよく知りたかった北アフリカ、現場での仕事を見たかった東アフリカ。モロッコ、チュニジア、エチオピア、タンザニア、ケニア、ルワンダと巡った6カ国の旅での経験は、少しずつ身体にしみこんで、自分の糧となってくれると感じている。

ルワンダでの食事
ルワンダでの食事。

写真・文:山ア
瑛莉


 

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