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アフリカ文学への招待「ボツワナ出身の女性作家ベッシー・ヘッド


[プロフィール]小学校6年生から中学2年まで米国アラスカ州アンカレジで過ごす。高校時代、ボランティア活動をきっかけに、高齢者福祉 の世界を志す。(日本の高齢者福祉はわたしが改善するのだ!と思い始める)大学で選択したゼミがきっかけで、アフリカと出会い人生の方向転換。(アフリカ に帰らなくては!と思い始める)ある日、ふと足を踏み入れた古本屋でアフリカ文学短篇集を手に取ったことから、作家ベッシー・ヘッドと運命的にめ ぐり合い、彼女の遺した書簡・原稿などを求めて、南アフリカ共和国、ボツワナ共和国にてリサーチ。学部卒業後、会社勤務を経て、英国エディンバラ大学アフ リカ研究センターにて修士号を取得。帰国後、コンベンション会社の営業として勤務。2003年10月に退職し、ベッシー・ヘッドの作品や生涯、またそれを 通じてアフリカのことを日本の人々に伝えたいと願いながら、現在は翻訳・執筆活動中。
メールマガジン発行中:『あふりかくじらの自由時間』
アフリカ人の意識のフィルターを通したアフリカを見てみたい。漠然としたその思いが、わたしと作家ベッシー・ヘッドをつなげ、わたしをアフリカに導くことになりました。
Khama V Memorial Museum,Serowe,Botsuwana

(ボツワナ共和国セロウェ村 カーマ三世メモリアル・ミュージアム)

作家ベッシー・ヘッドは、1937年、アフリカ大陸南端の南アフリカ共和国に生を受けます。母親は白人、父親は黒人。当時、アパルトヘイトと呼ばれる人種隔離政策を採る南アフリカ政府の下で、異人種間の結婚が禁止されていました。そのような中で、彼女の孤独で波乱に満ちた人生は幕を開けたのです。

南アフリカ共和国の北に、内陸の国ボツワナ共和国があります。1966年英保護領から独立したこの国は、ダイヤモンドが採れ、アフリカ大陸の中では経済的に豊かな国であると言えます。人口は171万人ほどで、首都ハボロネや一部の都市では街の規模自体は大きくないものの、道路や電気・水道などのインフラ設備が比較的良く整っています。

 ベッシー・ヘッドは、ボツワナ共和国の独立直前、26歳でこの国に亡命してきました。以来22年間のほとんどを、ボツワナ中部にあるセロウェ村で過ごし、執筆活動を続けてきました。1986年に48歳で亡くなるまでに書いた三篇の長篇小説と多くの短篇小説やエッセイなどは、いまでもボツワナをはじめ多くの国で読まれています。彼女が毎日のように綴った何千通にも及ぶ手紙や原稿が、カーマ・メモリアル・ミュージアムに大切に保管されており、多くの人たちがこの場所を訪れます。首都ハボロネにあるボツワナ大学英文学部では、ベッシー・ヘッド作品の講義が行われたり演劇化されたり、また多くの学生たちが研究のためにセロウェ村を訪れています。

わたしがはじめて訪れたボツワナという国で、たくさんの人たちに出会いました。とくに宿泊先のB&B(ベッド・アンド・ブレックファスト)の人たちは、家族のようでした。子どもの面倒を皆でみたり、子どもが悪戯をすれば、親でなくとも大人がきちんとしかりつけたり。色んな人たちが一緒に食事をつくり、ときには、同じお皿から食事をしたりもしていました。また、村ではすれ違う人が、礼儀正しくツワナ語の挨拶を交わします。のんびりとした空気の中、セロウェ村のタウンと呼ばれる中心部はいつも賑わい、商店や銀行、郵便局などが並ぶ中で、道端に山と詰まれた野菜や果物を売る小母さんたちが、脚を伸ばして座り、笑いながらおしゃべりをしています。大きな鍋でたっぷり煮込んだシチューを作り、小さな食堂を営む人もあります。

きっとそれは、かつてベッシーが見た風景。南アフリカ生まれの彼女は、ボツワナの農村に暮らす普通の人々の生活について、物語をいくつも描いています。非人道的な南アフリカの政治に弾圧される作家たちの多くが亡命をしました。人間が犯したアパルトヘイトという人種差別の罪の根源は何だったのか。普通に暮らす人間の中に潜む善と悪について、小説という媒体を使い、見事に描き出した作家がベッシー・ヘッドでした。そしてそれは、日本人というバックグラウンドをもつわたしが、自分の意識のフィルターを通して自分の国の人たちに伝えていきたいことでもありました。

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