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なぜアフリカ支援が必要なのか?


(TICAD市民社会フォーラムのFAQ)


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海外プロジェクト:たくさんの女の子に教育を!


高校生のインタビューに答えました。

2008/1/26

アフリカ 『アフリカ理解プロジェクト』は、どのような活動をしていますか。

アフリカ理解の促進を通じて「グローバルな視野と行動力をもつ人材の育成」を目的とした活動を日本やアフリカでおこなっています。主な活動はつぎのとおりです。

○アフリカプロジェクト
「みんなの学校」エチオピアの現地NGOとカラユ牧畜民コミュニティ支援プロジェクト「みんなの学校」を2004年にスタート。困難に直面する「子ども・女性・少数民族」への教育支援(教室建設・教員派遣・エッセイコンテスト・奨学金支給など)を中心におこなっています。

「アフリカ de 出版」書籍の出版を、現地出版社と共働でおこなっています。


○研修・講座
アフリカ理解(国際理解)を促進し、アフリカの豊かな文化や知恵を伝えるセミナーやワークショップのプログラム企画・開催や講師派遣などをおこなっています。

○情報・出版
アフリカ理解促進のための書籍やリーフレットなどの企画・制作、WEBやメルマガなどでの情報の提供、アフリカの出版社と一緒に行う出版事業もエチオピアで展開しています。

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『アフリカ理解プロジェクト』はNGOなのでしょうか?設立の時、政府などに申請したり、審査があったりしましたか?また、資金や事務所、スタッフの事など…どのような準備をしましたか?

『アフリカ理解プロジェクト』は、環境・安全・疾病など地球規模の問題が国境を越えて深刻化するなか、「市民ひとり一人」がさまざまな分野においてこれに取り組むことが不可欠と考え立ち上げました。スタッフ・サポーターは問題意識をもった個人の自由意志で活動しています。

国際協力では、団体が大きいか小さいか、政府か非政府か、NPOか任意団体か、それは住民のためになる活動とは、直接、関係がありません。団体がおこなう活動の内容・プロセスや成果を見ることが大事です。アフリカ理解プロジェクトの事務所経費は必要最小限。奨学金などは全額、現地のパートナーNGO(GTF)を通じて子どもたちへ届けられます。事務所はスタッフの自宅の一部を使い、人件費無償で経費を抑え、なるべく助成金などに頼らず、自分たちで活動資金をつくる努力をしています。これは容易なことではありませんが、持続的な活動をつづけるためには重要なことだと思っています。アフリカ理解プロジェクトの活動は、世界中どこにいても参加することができます。プロジェクトのスタッフ・サポーターは、日本・世界各地に在住しインターネットを通じてコミュニケーションを取りながら多くの活動を迅速に進めています。

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なぜアフリカなのでしょうか。  

“なぜアフリカではないのでしょうか?”と私は思っています。隣国ではないから?日本と経済的なつながりが薄いから?国益につながらないから?よく分からないから?

考えてみることが必要です。

なぜアフリカ支援が必要なのか?
TICAD市民社会フォーラムQ&A

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2003年に『アフリカ理解プロジェクト』が始まり、現在では世界各国にサポーターがいらっしゃるそうですが、たった5年でどのようにしてそんなに展開出来たのでしょうか?

インターネットがつかえるようになったことが大きいですね。これまで私がいたアフリカの国々では電話やファックスはあってもつながらない、郵便は片道1週間以上かかる、紛失も多いなど、社会インフラ整備の遅れから、日本や世界各地に連絡を取ったり、情報を発信したりすることが非常に困難でした。1994年から8年間タンザニアのキリマンジャロ州に在住していたときには、大型無線で通信していました。1996年にはタンザニアの僻地にいても、電話回線ながらプロバイダーを通してインターネットに接続することができるようになりました。おかげでネパールの現地NGOと連絡を取り合い、当時おこなっていた草の根無償協力支援での橋建設プロジェクトの情報交換をしたこともあります。サポーターのなかには一度も会ったことがない人たちがたくさんいますが、その人の置かれている環境や経験に応じて多様な協力してもらっています。

アフリカ理解プロジェクトは2003年にスタートしましたが、スタッフはそれまで長年、国際協力に関わる様々な活動をしていました。これらの経験もプロジェクトの活動として社会貢献に生かされています。

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『アフリカ』シリーズ、拝見しました。「アフリカ=発展途上国」というイメージが一変、元気な気持ちにしてくれる本だと思います。そこで、アフリカの人たちとの出会いで、ご自身はどのような影響を受けましたか。  

『おしゃれなアフリカ』シリーズを読んでくださってありがとうございます。このような感想を小・中・高校生のみなさんからよく聞きます。日本のメディアや学校の教科書には、アフリカ人たちのごく普通の暮らしやポジティブな情報がほとんどなく、アフリカ=悲惨な状況(確かにこれも事実ですが)しか見えてこないと感じます。こうしたステレオタイプなアフリカの見方を変えるには、豊かな文化や日常的なアフリカを伝えることが必要だと思い、このシリーズを出版しました。またこの「可能性のあるアフリカも見てもらいたい」という私たちの考えは、多くのアフリカの人たちからも共感を得ています。アフリカの人たちに後押しされる形で、英語翻訳版がエチオピアの出版社から出版されています。

アフリカの人たちとの出会いで影響を受けたのは、寛容、ホスピタリティ、大らかさ、生命力、たくましさ、優しさ、分かち合い、兄弟・家族を大切に思う心、年上を尊敬する心です。これらは、みな、かつて日本人が持っていたもの(失われつつあるが、今もあるもの)と共通しています。過酷な条件下にあってもこれらを失わない、彼らの人間性に影響を受けました。

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『アフリカ理解プロジェクト』のスタッフの方たちは、普段は別な仕事をしていて、ボランティアのような形で、携わっているのですか?

はい。スタッフは普段は仕事を持ち、平日の夜や週末、有給休暇をつかって関わっています。この活動がおもしろいと、本業と同じくらい熱意をもってやってくれる人たちが多いです。

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どのような心持ち、気持ちでお仕事をされていますか?

日本にいても、また世界のどこにいても淡々とですね。“Warm Heart, But Cool Head”ということばが好きです。国際協力のような仕事では、熱い心を持ちながらも冷静な判断が求められるからです。

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『アフリカ理解プロジェクト』には、現地のホントに普通の人たちと接する機会が多い仕事はありますか?

アフリカ理解プロジェクトがエチオピアで行っている「みんなの学校」「アフリカ出版事業」は、私たち日本人が直接的に行う事業ではなく、どちらも現地のエチオピアの人たちとパートナーシップでおこなっている事業です。ですから、現地のホントに普通の人たちと接する機会は多いですよ。

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白鳥さんがエチオピアでやっているお仕事のひとつ「プロジェクトマネージメント」というのは、具体的にどのようなお仕事なのでしょうか?地域ごとのデータなどを集めたり、それぞれのプロジェクトごとに、いつまでにどんな事をやって、あの人にはこの仕事をやってもらって…いうような細かな仕事もされるのですか?

プロジェクトの企画から実施までをマネージメントするのが、プロジェクトマネージメントという仕事です。先ほども触れましたが、エチオピアのプロジェクトは、どちらも現地の人たちと協働でプロジェクトをおこなっています。「いっしょにこの問題に取り組もう」という意識を共有する相手を見つけ、プロジェクトが目指すもの、プロジェクトの枠組みと規模、実施方法・内容・時期、資金の手当て、役割分担を決めプロジェクトを軌道のせ、評価をとおして、成果やプロジェクトの与えた効果(インパクト)をみる、そして改善点を次のプロジェクトに生かすという仕事です。難しいように感じるかもしれませんが、例えば、先日高校生のみなさんが行った「みんなの学校奨学生の募金活動」なども、実はこの流れでやっているんですよ。文化も言葉もやり方も違う人たちにいっしょに、現地の人たちに主体性(オーナーシップ)を持ってやってもらうことがこの仕事の一番難しいところです。

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アフリカ現地NGO『GTF』のスタッフは、現地の方たちですか?また、現地NGOとの協働で、困った事や戸惑った事はありましたか?例えば―私は、アフリカの人はのんきというかマイペースというイメージがあるのですけれど―作業が遅れるとか。

はい、私たちのパートナーNGOのGTF(Gudina Tumsa Foundation)は、エチオピア政府の登録NGOです。スタッフは全員エチオピア人です。日本では思い込みがあるようですが、NGOで働くスタッフは、ボランティア(無給)ではありません。大きなNGOのばあい(GTFは小さな団体ですが)は、現地公務員より、よい報酬を得ています。エチオピアの大学卒業者に人気のある職種は、公務員から海外NGOスタッフを経て、国連職員になることです。ですからNGOスタッフには、海外留学経験者も多く数ヶ国語を話す優秀な人がたくさんいます。仕事のうえで、まあ、多少お国柄(のんびりしているなど)はありますが、日本人と仕事をしているのと、そう変わらないと私は感じます。別の意味で難しいのは、いっしょに仕事をして慣れてきたカウンターパート(仕事を一緒に行う担当者)が、すぐに替わる(より高い報酬や条件を求めて)ということがよく起こることです。私のカウンターパートも4年間で3人変わりました。また、個人がほかの人と情報を共有するということが少なく、情報はその人だけのものになっている点も、仕事をするうえで難しいと感じるところです。

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JICAや大使館との連携もされているそうですが、そのメリットを教えて頂けますか?

アフリカ理解プロジェクトが連携しているのはJICAや大使館だけではなく、カナダオックスファムや同国のロータリークラブとも連携を図りながら進めています。例えばうちで建設した教材開発・環境教育センターのソフト面(機材や人材研修)をカナダ側がやり、人材派遣をうちがやるというように。この方法でそれぞれの資金的な制約を相互で補うことができますし、建物は建ったけれど中身がないというようなことが防げ、効果的な支援をすることができます。

日本の援助が効果的に行われるには、官民がそれぞれの特徴、得意分野を生かして、ともに取り組んでいかなければなりません。例えば、学校は建てただけで終わりではなく、そこで勉強する子どもたちが、継続的に質の良い教育を受けなければ意味がありません。こうした、日本の支援が有効につかわれるよう、いくつもの支援先をコーディネートする人材が必要ですが、残念ながらまだそういう人材は多くは育っていません。

そういう意味でもアフリカ理解プロジェクトのやり方がひとつのヒントになればと思っています。

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『アフリカ理解プロジェクト』の活動の中で、白鳥さんがコレは上手くいった!アレはとても大変だった!という事があれば、教えて下さい。

私が個人で行うことは少なく、成果があがったものは、みなチームで行ったものです。あえていえば、新しいこと(オリジナリティがあって、ユニークな活動)は、すべて難しく、それをやり遂げたときの喜びは大きいということでしょうか。


インタビュー:向平侑加さん(北海道千歳高校)
回答者:白鳥くるみ(アフリカ理解プロジェクト代表)
2008/1/26のインタビューを掲載しています。

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