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アフリカを教室に アフリカ理解プロジェクトによる本 「アフリカンキッチン」


講師の齋尾さん



「アフリカの食と食材」連続セミナー
開催場所:JICA横浜 
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第5回セミナー(2013年2月17日)

アフリカの食 ~知られざるエチオピアの食生活~
齋尾恭子さん(元農林水産省研究員)

アフリカの独自の作物について写真とともに紹介、食材や穀物の栄養価から現地生活を捉える説明をいただいた。

1.サヘルアフリカ全般の食材と食べもの

・雑穀
雑穀は農牧文化のアフリカにとって最も古く、重要な食材である。多種な雑穀はすべて粉にしてから食べる。粉は熱湯で捏ね、濃い粥状にして食べるのが普通である。
・根茎類と食用バナナ
キャッサバ、ヤムおよび食用バナナは、また、重要な食材である。キャッサバはガリなど顆粒状の粉に加工する一方、これら根茎類とバナナは杵で搗いて餅のようにして食べる。
・とうもろこし
とうもろこしは比較的導入が新しいが、消費が多くなってきた。高温高湿の地域では、貯蔵中にアフラトキシンというカビが発生する。発がん性があるため気をつけなければならない。

・米
グラベリマ種は、現在では、サティバ種との交雑種(ネリカ)が栽培を広げている。ネリカの普及により、アフリカ全体でお米が食べられるようになった、という印象を受けた。
・大豆と豆腐
ナイジェリアは大豆導入をアフリカの中では先駆けて行った。ナイジェリアでは大豆を現在年間約40 万トン生産している。
ナイジェリアでは豆腐が普及している。日本人専門家(中山氏)の国際熱帯農業研究所への派遣により普及したといっても過言ではない。ナイジェリアの1地区における大豆で得た収入の用途について調査は、女性農民がそれを子供の教育と家族の栄養改善に使用するという興味深い結果が出た。
・調味料
他の調味食材とともに、味の素やマギーなどの調味料は市場でよく売られている。まとめて購入するお金がないので1 小袋1 円程度で必要なときに買うことが多い。その他香辛料の種類は豊富である。大豆を発酵したダワダワも調味料(だし)として使われる。

2.エチオピアの独自な作物と食べもの

・インジェラ(テフを粉末にしたものを水と練り、焼いたもの)。
原料のテフは、タンパク質9.6%、脂肪2%。高い鉄含有は貧血に有効。メチオニン、シスチン、リジン、ビタミンB1 などが他の穀物に比べて多い。そのため、テフの全粒を粉にしてつくるインジェラは栄養価が高い。
・ヌーク
油糧種子。リノール酸77.4%。トコフェロールが高く、栄養価が高く、抗酸化性がある。油含有率が少ないと、油を絞るための機械や技術等が必要となり零細企業では生産できないが、ヌークは油含有が多いため零細企業でも生産可能。
・エンセット
植物の見かけはバナナに似ているが、葉鞘と根に貯まるデンプン質の部分を食べる。パン様食品、粥状食品など様々に加工される。
・コーヒー
コーヒーはエチオピア発祥と言われる。その輸出額は全体の60%を占め、コーヒー産業に関わる人は1500 万人で、ことに女性に職場を提供する。またエチオピアでは、コーヒーは嗜好品として飲むだけでなく、コーヒーセレモニーがある種の社交儀礼となっている。

3.食生活調査

技術指導の中で接したホームエージェント(日本の生活改善普及員に似た公務員)やハレマヤ大学の学生たちに対して食生活調査(平常食と祝祭食の違い、好み等について)を行った。詳細ははぶくが、学生の多くは、普段は食堂で食事をとることが多いが、家庭で食べるときや特別な食事のときは種類が豊富で、伝統食を中心としていることが分かった。伝統食は非常に大事にされている。

アフリカの食生活の動きとしては、伝統食を守りつつ市場経済に移行しようとする動きがある。食品産業をビジネスとして展開していこうとするためには、周辺産業(ビン、袋などの包装材製造、運搬、製造機械等)が発達していないという問題点がある。

参考資料:エチオピアの独自な作物とその食べもの、そして食べるひとびと


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