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エチオピア発

牧畜民を取巻く環境と教育


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エチオピアの旱魃
時には数ヶ月、あるいはそれ以上の長期間にわたって続く、日照りなどの異常気 象によって起こる極端な渇水状態を「干ばつ(旱魃)」といいます。サハラ砂漠以南アフリ カでは、数年の周期で旱魃が起こっています。エチオピアの位置するアフリカの 角地域でも、こうした自然要因に加えて、過耕作、過放牧、無計画な森林伐採、 貧弱な灌漑施設など人間活動の影響で、砂漠-半砂漠化が進行しています。干ばつ の影響を最も受けるのが、アフリカの全人口の10%を占めると言われるカラユな どの牧畜民です。現地NGOのGTFによる調査では、最近の旱魃でカラユの人々は、 所有する家畜の半数を失っています。


牧畜民の教育

エチオピアには、牛などの家畜飼育を生業とし、移動しながら生活する人々がい ます。このような人々をパストラリスト(牧畜民)と呼びます。エチオピア全人 口のおよそ11%が、この牧畜民ですが、中央部から東部地域(オロミヤ、ソマリ、 アファールなどの各州)に多く暮らしています。これらの州の小学校の就学率は 15%以下と低く、州別では最下位です。エチオピア政府は、牧畜民への教育問題 の解決なしにエチオピアの教育問題の解決はありえないと言っています。しかしながら、 牛を追って移動する人々の教育ニーズ、移動パターン、宗教、教育に対する考え は、民族や地域によって違いがあり、この多様なニーズにほとんど対応できてい ないのが現状です。現在エチオピアでは、GTFのようなNGOや各国援助機関などが、 寄宿制学校、ノンフォーマル教室、自主学習教材開発などの様々な試みをつづけ ています。

*NER(純就学率):学齢相当の就学者数が、学齢相当人口に占める割合。

06‐07年エチオピアの初等教育の現状

2006年度のエチオピアの初等教育(1年ー8年生)就学率(NER)*は、前年の約60%から65 %へと、伸びています。02年の約44%と比べると飛躍的な伸びで、エチオ ピア政府の努力はもちろんですが、世界中の関心がアフリカや途上国に集まれば、 現実を変えることができる、そう希望を抱かせる数字です(UNESCO)。しかしながら数字の 中身をよくみると、子どもが小学校に行く数が増えているのは都市部だけ。農村 や僻地ではその数は横ばい状態で、中途退学者の数も多くなっています。特に牧畜を生業とす る「みんなの学校」があるような地域(他にはアファール、ソマリ州)では、約 20%就学率(女子は、さらに低い)のまま留まっています。また全体的な問題と して、教育の質や効率、教員の数が足りない、一学級あたりの児童数が75人前後、 教科書一冊の児童数が2-10人、教科内容が現実の生活とかけ離れているなどが指摘されます。教育支援は、学校を建てれば終わりではなく、そこからがスタート。そ の地域で何年も活動を続け、学校運営に関わるGTFのような現地NGOと協働 で行う意味がそこにあります。

カラユ牧畜民の暮らし


IRIN(*)のニュースレターから
ETHIOPIA: Training community workers to sustain pastoralist livelihoods

●『村の獣医』を育成して、牧畜民の生計を維持する

 4月17日アダマ(IRIN) ジャマル・アデム(20歳)はここ7ヶ月間、家を遠く離れ、ほこりっぽい地面でラクダたちに囲まれた夜を過ごしてきた。
 オロミア州のファンターレ郡の村を、ジャマルと他の7人が離れたのは昨年の9月、ラクダのための草地を求めて8ヶ月、一時は約300キロ離れたシャシャメネまで南下したと言う。
 「今、僕らの土地は乾季(ボナ)だから、ラクダに食べさせる草を探さなければならないんだよ」
 現在、約1000頭のラクダをアダマに近いウォキティウ(Wokitiu)村で放牧しているジャマルたちは、始まった雨が長く続くように願っている。「このまま雨が続けば、僕らはジダ(Jida)の村に早く帰れるから」
 オロミア州に4百万にるジャマルのような牧畜民にとって、ラクダが全てである。村で子どもが生まれると、家族は群れの中から一頭のラクダを選び、それが生まれたばかりの子どもの最初の所有物になる。
 「ブッシュの中で暮らしている間、ラクダのミルクだけが口にするものなんだ」とジャマルが説明してくれた。
 道中にラクダの子どもが生まれるが、病気で倒れるラクダも多い。
 「群れの中の30から40頭のラクダが死んでしまったよ」ジャマルと同行しているモハメド・アリが教えてくれた。

●薬の入手が困難

 ジャマルの村では、この2年間に多くの家畜を失った。
 「まずはじめに、ラクダがせきをし始める。そして毛のつやがなくなり、食べなくなる。」モハメッドが、このところ3回続けて流行った病気の症状を説明した。
 病気のラクダをどうするのかと聞くと、「ラベルにラクダの絵が描かれた薬を買ったんだ」とのこと。モハメドによれば、最初は伝統薬に頼っていたけれど、大きな町まで行って薬を買うようになった。
 はじめにメタハラの町で探し、その後アダマの町まで行った。そこでモハメドはラクダの絵のラベルの薬を買った。獣医によれば、ラクダは寄生虫によるいくつかの病気にかかっているのだろうとのことだった。
 モハメド達は、アダマの獣医に相談する事が出来て幸運だったけれど、多くの牧畜民には無理だ。
 オロミア牧畜民開発委員会(OPDC)で家畜衛生チームを率いるタスファエ・ベケレは「牧畜民の地域には沢山の病気があるが、家畜診療所の数はとても少ない。家畜診療所が出来ても、移動し続ける彼らの生活様式は変わらないけどね」と言う。
 移動する牧畜民のための診療所の建設は経済的ではないという。
 タスファエは、「牧畜民の暮らしはラクダが放牧できる土地があるかどうかに左右される。牧畜民の中から何人かを選び、家畜衛生の技術を身に付けてもらうほうが良いだろうと考えている」。
 
●『村の獣医』を育成する
 
 村の獣医を育成する事業を、FAOの協力でオロミア州は既に始まっている。
 オロミア牧畜民開発委員会による、牧畜民が移動する地域内で、家畜の衛生管理サービスを行う「村の獣医」訓練計画だ。
 家畜の診療、薬の販売、病気の監視が出来るように「村の獣医」を訓練する。「『村の獣医』候補は、牧畜民の中から選ぶので、そんなに簡単ではない」とタスファエ。
 2週間前、アダマでの12日間の訓練を終え、オロミア州の牧畜地域ではじめての家畜衛生担当官とその助手が誕生した。今後彼らは、それぞれの地域で12から15人の『村の獣医』を育成する予定だ。
 バレ郡のメダ・ワラブから来た家畜衛生担当官のタケ・ジャミは、この方法なら、広い地域をカバーする事が出来るようになるだろうと言う。
 「担当となっている村は20あるけど、広すぎてその内の3つの村にはまだ行った事がないんだ」。タケの担当地域には約10万人の牧畜民がおり、予算と交通手段の問題が彼の仕事を大きく制限している。
 農業農村開発省の報告によれば、2006年現在、379人の獣医、832人の家畜衛生助手、1983人の家畜衛生技師、216人の検査技師、そして245人の食肉検査官が登録されている。
 オロミアのような地域にとって、家畜資源は、牧畜民経済の根幹をなしている。中央統計局によれば、エチオピアには4千万頭の牛、2千5百万頭のヒツジ、2千2百万頭のヤギ、百万等のラクダがいる(2004/05年)
 タケは、「人材不足が深刻な状況なので、家畜の病気が蔓延する地域では、『村の獣医』は、とても重要な存在」と考えている。

IRIN Africa English reports, 4/17/2007


(*)IRIN(Integrated Regional Information Networks, 統合地域情報ネットワーク)は1995年に設立された国際連合人道問題調整事務所 (OCHA) による紛争・災害情報等の普及を目的とした独立した報道部門。1994年のルワンダ虐殺と大湖沼地帯での難民危機を契機として人道援助関係者その他に広く情報を提供する目的で設置された。



「New African」の紹介


「みんなの学校」プロジェクト
(08年リーフレット)




アフリカ・エチオピアの現状
たくさんの女の子に教育を。
なぜ、教育支援が重要か

気候変動と牧畜民の暮らし
2008年の干ばつ報告



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