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「みんなの学校」ダイアリー
No. 1 2008/11/1
No. 2 2008/12/27
No. 3 2009/3/1
No. 4(前編)2009/7/25
Np. 4(後編)2009/8/14
No. 5 2009/11/24
No. 6 2009/2/8

「みんなの学校」プロジェクト
(08年リーフレット)

みんなの学校訪問レポート

アフリカ・エチオピアの現状
たくさんの女の子に教育を。
なぜ、教育支援が重要か

牧畜民を取巻く環境と教育
気候変動と牧畜民の暮らし
2008年の干ばつ報告

女子学生への支援

これまでの支援実績


エッセイコンテスト
エッセイコンテスト
第2回詩とエッセイコンテスト

教室建設
教室建設レポート
オープニングセレモニー

研修・スタディツアー
GSのスタディツアー
支援者のスタディツアー
サイエンスセミナー
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 No. 7 2010/4/24 最終回「人と人のぬくもり」

みなさま、こんにちは。長きにわたるエチオピアでの活動も今年の三月で無事終了、「みんなの学校教師ダイアリー」最終回は大阪からの更新です!最終回は少し真面目に、みんなの学校で暮らした二年間、私が感じたエチオピアについてまとめていきたいと思います。エチオピアのいいところも悪いところも、私の独断と偏見でばっさり!教師ダイアリー最終回、スタートです。



東アフリカに位置する世界最貧国の一つ、エチオピア。でも、その実情は人懐っこくて表情が豊かな国。「エチオピアで見るべきものは、エチオピア人の日常生活」。カラフルな服装と豊かな表情、そんなエチオピア人の生徒や同僚たちとの日々の生活は「人のぬくもり」そのものでした。生徒から石を投げられたり同僚教師から嘲笑されたりしたこともありましたが、それも「人々のふれあい」。相手が素直に態度に表すからこそ、その後はすぐに理解しあえるんじゃないかな?と思います。我慢することも大切、でも、時には表情豊かに素直に意見をぶつけることも必要なんだ、と、これはエチオピアに行って学んだ大きな教訓です。

そんな「人のふれあい」がエチオピア人のいいところだとすれば、一方で「システム」に目を向けると数多くの問題がありました。「貧困の問題」、「学力の問題」「社会的弱者の問題」、実際に直面して苦しんだ問題、人から話を聞いた問題、具体的に挙げ始めればキリがありません。なぜ、エチオピアにはこんなにも問題が溢れているのか?現地で実際に活動して考えた私なりの結論は、多くのエチオピア人は「あるものを利用しよう」という意識が極めて低い、そのたった一つの「意識の欠落」が全ての問題の根本ではないか、ということです。「あるもので工夫する」、その意識の違いが経済的発展でも大きな鍵を握っている、と今は強く感じています。


<生徒たちとの別れ>

たとえば「みんなの学校」の教師からは「実験道具がないから実験ができない、日本は実験道具があっていいな」とよく言われました。でも、ビーカーがなくてもペットボトルを切ればビーカーの代わりにはなるはずです。もしくは、実験器具が整っている近くの学校から借りることもできるはず。生徒は生徒で「参考書がないから勉強できない」と言いますが、参考書がなくても教科書には多くの問題が載っています。こういった具合に、毎日聞かされる「言い訳」のような「彼らの理屈」。初めの頃は「こいつらにはやる気がない」とうんざりしていましたが、徐々に、彼らには「他のもので代用しようとする意識」がないから他の選択肢を思いつけないだけなんだ、と彼らの思考回路に納得できるようになりました。今では、エチオピアに「モノ」がないわけではない、足りないものは「あるものを工夫してうまく使う」という意識だ!と強く感じています。

「身の回りのものを使用する工夫」、私も、活動を始めた頃はそんなことを意識することなく、手探りの状態でした。でも、今振り返ってみると、「持ち運びゴミ箱」や「手作り実験」など、みんなに受け入れてもらえたのはやっぱり「身の回りのものから生み出された機材」だったなぁ、と実感できます。初めからそこにあるものを「改善」して使えば、私が去った後も継続して行なえますからね。「苦労なく手渡したものは、感慨もなく捨てられる」、それがキーワードだったと感じます。


<同僚との別れ>

「工夫すること」、それは日本人でも難しいことです。そんな難しいことをエチオピア人に伝えないといけない。そう考えたとき、「お金やモノ」ではない「人的支援」がどれほど重要かが強く理解できます。エチオピアに行く前は「国際協力も最終的にはお金だ」と考えていた私ですが、「みんなの学校」で各国から送られてきたモノが倉庫に投げ捨てられている現状を見て、そして、「みんなの学校」が抱えている問題と直面して、考え方が変わりました。今では自信を持って「効率的なモノの使い方を知らない国なのだから、まずは人的貢献をするのがいい。お金やモノの支援は効率という言葉を覚えてからだ。」と言い切ることができます。人が現地に溶け込んで活動し、「工夫と効率」の意識付けをうまく手助けできれば、きっとエチオピアが発展する大きなきっかけになるに違いありません。青年海外協力隊の活動の意義も、きっとそういうところにあるのでしょう。

小さいことも一歩から。お金やモノでは、人の意識はいい方向には変わりません。人の意識を変えるためには、「根気強い人の手」が必要なのです。お金で楽をするのではなく、人と人とのつながりの中で互いに理解し助け合いながら発展する、それがよりよい将来に向けての最善の道なんでしょうね。


<学校を後にする>

私が「みんなの学校」を離任するとき、同僚からは「ヨシがやったことは今後も続けていく」と約束され、生徒からは「ヨシが教えてくれたことは一生忘れない」と涙されました。私もみんなの学校で学んだ、「人と人のぬくもり」と「経済的な発展も、人と人とのつながりの中で」、そのキーワードは決して忘れることはありません。みんなの学校での私の活動はこれでおしまいになりますが、生徒や同僚と互いに学びあったことを大切に、これからも「つながり」を続けていきたいと思います。学んだことを将来に活かす、それが私の次の目標ですね。


<空港にて>

この二年間、教師ダイアリーをお読みになってきた方々も、きっとダイアリーを読んで感じたことが一つや二つはあると思います。その思いを大切に。思いが変わることはあっても、忘れることはないように。そうして、将来に繋げていってもらえれば私も幸せです。皆様、二年間もの長きに渡るご愛読、本当にどうもありがとうございました。今後は、後任隊員による続編(教師ダイアリー2!?)にご期待ください!!!



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