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「みんなの学校」プロジェクト
(08年リ
ーフレット)




アフリカ・エチオピアの現状
たくさんの女の子に教育を。
なぜ、教育支援が重要か

牧畜民を取巻く環境と教育
気候変動と牧畜民の暮らし
2008年の干ばつ報告

女子学生への支援

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エッセイコンテスト
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報告者:ガールスカウト東京36団リーダー

11月12日−21日、エチオピアの首都・アディスアベバにいるくるみリーダーのところへ長野11団の塚田リーダーと共に訪問しました。

東京36団が支援している「みんなの学校」やその他のくるみリーダーがエチオピアでされている活動・ご主人の白鳥さんが携わっているプロジェクトを見学させていただきました。

もちろん、エチオピアの料理やダンス、ファッションなどなど・・いろいろ体験し盛りだくさんの1週間でした。

【日程】2011年11月12日〜21日

11月12日 出国、ドバイ経由でエチオピアへ
11月13日 11:25ボレ国際空港着、国立博物館や市内を見学
11月14日 孤児支援のNGOバザー、  市内見学、FRGフェーズ2農業研究プロジェクトoffice訪問
11月15日 HIVグループ、まき運び女性の機織り、野蚕シルク工房見学
11月16日 みんなの学校、GTFサイト見学
11月17日 FRGフェーズ1農民支援プロジェクト、ソドレ温泉、小学校や幼稚園訪問
11月18日 マーケット、カチャネ焼き物女性組合、皮革生産者見学
11月19日 エチオピアンヘアーや料理・ダンスなどエチオピア文化体験
11月20日 アディス・アべバ大学内民俗博物館・市内見学、
11月21日 帰国



今回私が主に過ごしたアディスアベバは標高が2400m(富士山の5合目と同じくらい)と高く、日中は暖かく朝晩は冷えるという戸隠のような気候でした。アフリカと聞いて想像する暑さとは全く異なり、とても過ごしやすかったです。

アディス・アベバの町では、舗装された道路をたくさんの車が行き交い、人もたくさんいます。ちょっと大通りをそれるとでこぼこ道になりますが、都会です。そして建設ラッシュ!いくつものビルの建設現場を見ました。まさに、大都市へ向けて成長中、という印象を受けました。

広さ:日本の約2.5倍の国土。 
大部分は高原地帯。
人口:約8.5百万人 アフリカ第2位(世界第18位)
首都:アディスアベバ Addis Ababa(2,646,000)
公用語/主要言語:アムハラ語、英語
主要宗教:キリスト教、イスラム教、伝統宗教
国民の平均年収: US330ドル (世界銀行2009年)
平均寿命:55歳
世界遺産の数:9

アフリカ大陸情報:エチオピアのページ

エチオピアの人は何を食べているの?

主食はインジェラ。テフという穀物を水で溶き、発酵させクレープ状に焼いたもの。少しすっぱいですが、とてもふわふわしてやわらかい食感です。インジェラにつけて食べるのはワットと呼ばれるシチューのようなもの。肉や野菜・豆などに、ベルベレという香辛料を加えて煮込んだ料理です。ベルベレには唐辛子が含まれているので辛いです。

欠かせない飲み物は・・・

コーヒーエチオピアはコーヒー発祥の地と言われています。家庭でも欠かせない飲み物で、来客があったときなどはコーヒーセレモニーが行われます。コーヒーセレモニーは生豆を炭火でいるところから始まり、コーヒーを3杯飲むまで続きます。日本の茶道と似ていますが、違うところはコーヒーセレモニーは茶道のような習い事ではなく、一般の家庭で今でも行われていて誰もができる、というところ。エチオピアの素敵な伝統文化です。

エチオピアの踊り!?

エチオピアには80をこす民族がいます。それぞれの民族にそれぞれのダンスがあります。特徴的なのは、リズミカルに動く首と肩。見たことのない動きに目を見張りました。私も一緒にやってみましたが、細かく肩を震わせたり、首だけ動かしたり・・・リズム感のない私には到底まねできるものではありませんでした。。。。

牧畜民・カラユってどんな人たち?

おいしそう(?)な料理にコーヒー、楽しいダンス、この他にも立派な教会や豪快な温泉など魅力がいっぱいのエチオピアですが、世界で最も貧しい国の一つです。その中でも、特に厳しい状況にあるカラユ牧畜民の人たちに会ってきました。

カラユとは、アディスアベバから車で4時間弱、非常に乾燥した低地・ファンターレ郡で暮らす牧畜民(ラクダや牛などの家畜を飼育し移動しながら暮らす人々)です。牧畜民の人々は移動しながら生活をするため、「一つの場所に住み、学校に通う」という習慣がありませんでした。さらに、政府の政策によって土地を追われ、より過酷な環境での生活を強いられています。お金がないために学校に行けない子供もたくさんいます。くるみリーダーが主宰するアフリカ理解プロジェクトは現地のNGO・GTF(GudinaTumusa Foundation)と供に、2004年よりカラユの人々を対象に教育支援プロジェクト「みんなの学校」を実施しています。

写真にあるおうちの中にも入らせてもらいましたが、もちろん電気も水道もなく、家の中は真っ暗。何にも見えない中でカメラのシャッターを押し、撮れた画像を見て何があるのかを確認することができました。
 

異常気象や洪水の影響で・・・

アフリカは温暖化による異常気象の影響で年々暑くなってきているといわれています。カラユの人々が暮らす地域は乾燥が激しい地域で、干ばつに苦しめられています。ファンターレの隣、同じく牧畜民が多く暮らすアファール州は、「世界で最も暑い場所」とも言われ、湿気は全くなく、直射日光が容赦なく照りつけます。このような環境で暮らしてきたカラユの人々ですが、近年新たな問題に直面しています。「洪水」です。ファンターレには大きな湖があります。しかし、湖の水はフッ素成分が多く飲むことはできません。この水が、地下からどんどん湧いてきてあふれ出してきているのです。洪水の原因は定かではありませんが、最近政府が作ったサトウキビ農園のための灌漑施設の影響ではないかとも言われています。

洪水の影響で、みんなの学校や学校を運営するGTFの施設が壊れてしまいました。今でも水はひいていません。

現在、壊れた学校に代わり、新たな寄宿舎を建設中です。GTFのスタッフから去年36団で集めた洪水の義援金を、新しく作る寄宿舎に水をひく工事をする費用として使いたいという申し出を受けました。

NGOの活動の大部分は寄付で賄われますが、エチオピアでは最近政府によってNGOに対する寄付金に規制がかけられるようになりました。さらに寄付金の多くは使い道が指定されているためにお金があったとしても使いたいことに使えない、という事態が発生しているそうです。

奨学生・バリテさん

女子学生1人の1年間の奨学金は5万円。授業料、教材費、受験料、寮費、食費、被服費が含まれます。

36団で支援していたバリテさんは今年の6月にカレッジを卒業、故郷の村に戻り、共同組合に就職し元気で働いています。今回会ったもう一人のバリテさんは、16歳で11年生。大学に入る前に2年間勉強する、大学準備校に毎日片道8キロ、自転車をこいで通っています。6人兄弟の真ん中で、学校に行くのは好きだそう。

バリテさんは英語を話しますが、とてもシャイ。でも私が質問をするとすらすら答えてくれました。化学が好きでエンジニアになりたいと即答する姿に、強い意志を感じました。

36団のみんなが書いた絵とメッセージも渡してきました。(11月の集会で、ブラウニーは私の家族・ジュニアrは私の学校と好きなこと、シニア/レンジャーは私の夢というテーマで絵やメッセージを書いてもらいました。バリテさんが持っている青いファイルがみんなのメッセージ集です)

エチオピア・ハンドメイド・プロダクツ委員会(Commission for Ethiopian Handmade Products)

くるみリーダーとアフリカ理解プロジェクトは「みんなの学校」の以外にも、エチオピアのハンドメイド製品の品質やパッケージの改善、新商品の開発などで生産者の所得向上を支援するCEHP(シェップ)という活動を行っています。

エチオピアにはコーヒーや皮革、綿やシルク、陶器など様々な素材があります。しかし、生産者は「市場で何が売れるのか」ということがわかりません。売れないものを作っても収入を得ることはできません。また、売れたとしても、とても安く買い取られたりします。

この問題を解決するために、CHEPは生産者に対し、「売れるもの」を作るためのデザインの提案や品質改善のアドバイスを行います。また、技術のない社会的・経済的に弱い立場の人(HIVエイズ陽性者など)に技術指導を行い、収入を得る機会を提供しています。 一方で、CHEPは、お土産物があまりないエチオピアで、観光客に「Made in Ethiopia」を感じることのできる製品を提供しています。また、どの製品もエチオピアならではのストーリーを持っているので、製品を通じ消費者にエチオピアの魅力を伝えることができます。生産者と消費者の架け橋の役割を担うことがCEHPの役割です。


CEHPのページ


今回私は、5つの生産者を訪ねました。

(1) HIVエイズ陽性者の女性グループが作るコーヒーアクセサリー
(2) まき運びをしていた女性がつくる手織りショール
(3) 野蚕シルク工房のシルクストール
(4) カチャネ焼き物女性組合がつくる陶器
(5) 牛などの皮をつかってつくる革製品

この中で特に印象に残った@を紹介します。

HIVエイズ陽性者の女性グループが作るコーヒーアクセサリー

アディスアベバ市内の貧困層が暮らす地区の集会所で、週2回5−6人の女性たちが集まり、コーヒーを使ったストラップやネックレスを作っています。彼女たちの中には、HIV/エイズの感染者も。看護師で青年海外協力隊の荒井真理子さんが技術指導をしています。HIV/エイズの陽性者は体力もないため仕事を得ることは難しく、社会的にとても弱い立場にいます。 多くの人が読み・書き・計算もできません。そんな彼女たちに荒井さんがストラップやネックレスの作り方を教え、CHEPが公正な価格で買い取ります。

始めはやる気がなかったそうですが、自分たちの作ったものが売れる、お金になるとわかると積極的に取り組むようになったそう。前は荒井さんが来てもなかなか集まらなかった人たちが、今では荒井さんがいなくても自発的に集まるようになりました。この活動を通じ得た収入で、最近久しぶりに里帰りをした人や、老眼鏡を買った人などそれぞれの生活に変化があったそうです。
今後の課題は、自分たち自身で生産・管理を行うこと。荒井さんの帰国は来年1月。今は課題克服のために特訓中です。

荒井さん曰く、「彼らは言われたことはできるが、何か新しいことを自分たちで考え出すことはできない」。毎日生きていくのがやっとだと、目の前のことでいっぱいいっぱいになり、現状を変えるために何かを自ら考え出す、という余裕がない。そのような環境から抜け出す方法を荒井さんやくるみリーダー達が提供する。方法がわかれば、彼らも一生懸命になり、生活は変わっていきます。「なぜ貧しい人たちに援助が必要なのか、そしてどんな援助が必要なのか」ということをこのグループの活動を見ることで知ることができました。

もう一つ、このグループを見て感じたことは、「ガールスカウト活動と似ている」ということです。前述したように、グル―プには字が読めない人、計算ができない人がいます。そういう人たちには、できる人がサポートをします。出来高制をとっていますが、自分だけができれば良いという空気はなく、できない人がいれば手伝います。指導をする荒井さんは一人ひとりを細かくケアすることはできないので、グループの中のリーダーに大切なことは伝えます。グループの中で要望があれば、リーダーが意見をまとめ、荒井さんに伝えます。まさに、ガールスカウトで言えば、このグループはパトロール、グループのリーダーはパトロールリーダー、荒井さんはリーダーということになるのではないでしょうか。
何気なく取り組んできたガールスカウトのパトロール制ですが、実社会でも役に立つんだなと改めて思いました。

JICA 農業支援プロジェクト (Farmer Research Group Project)

白鳥さんが携わっている、日本のODAの一つである農業研究プロジェクトも見学させて頂きました。エチオピアの土地にあった作物を、エチオピア人の力で、高い生産性で生産ができるよう、現地の研究者とともにプロジェクトが行われています。このプロジェクトの支援を受けた農家や農業試験場などを見学しました。

一番印象的だったのは、こちらの農家のお母さん。彼女はプロジェクトの一環で来日し、日本の農家を視察したそうです。”日本に行ってから全てが変わった”と彼女は言います。彼女のような一般的な農民は政府から狭い土地を借りています。狭い土地なんだから収穫量が上がらないのは当たり前、と思っていました。しかし、日本に行ってみると大して広くもない土地でものすごい収穫量を上げている農家を目にしたそうです。そして、彼女は思いました。「私にだってできるはず」。帰国後はFRGのアドバイスを受け、トマトや玉ねぎ、アボガド、パパイヤなど様々な作物を栽培しています。

生産量はあがり、所得も増え貯金もできたそうです。目下取組中なのは、玉ねぎやトマトの種。種は実や苗よりも高く売ることができるのです。

彼女はとても誇らしげに、私たちに畑を見せ、説明をしてくれました。あの自信に満ちた目は忘れられません。外国から技術者が来て教えるよりも何よりも、実際に自分自身の目で見て体験したことが、彼女の今の成功の原動力になっているのでは、と感じました。どこの国に住んでいても文化は違っても、お互い、「百聞は一見に如かず」なんだなと改めて思いました。



私にとって、“念願の”エチオピア訪問でした。多くのことを感じ、多くのことを学びました。
今回の訪問で一番感じたことは、「世界はつながっている、そして世界は変えられる」ということです。

私が「貧困」という問題を知ったのはジュニアの頃でした。「自分とは全く違う環境で暮らす人がいる」という事実に衝撃を覚えたことを今でも覚えています。あれから10年以上の月日が経ち、リーダーになりました。しかし、相変わらず“アフリカは貧しい”と言われています。36団で支援している奨学生はどうしているんだろう、援助は役に立っているのか、なぜ貧しいという状況は変わらないのか、疑問に思っていました。

エチオピアに行ってみて、答えを見つけることができました。以前36団が支援していた奨学生のバリテさんは大学で会計を学び、卒業した今は村の共同組合で働いているそうです。また、くるみリーダーや白鳥さんの活動は確実に現地の人の生活をより良い方向に変えています。しかし、小学生の子供が大学を卒業するまで長い年月がかかるように、援助の成果はすぐに表れるものではないのです。現地NGOのスタッフでみんなの学校の1期生として学んでいたカラユの青年に出会いました。彼は大学を卒業し、得た知識やスキルを地元のために還元しています。時間はかかるけれども、彼のような人が増えていけば現状ももっと変わっていくだろうと思いました。「世界は変えられる」なんてきれい事のようだ思っていましたが、実際に「変わっていっている」現場を目にし、私の中でその言葉が現実感を持つようになりました。

とは言っても、簡単なことではありません。そこには、現場で取り組む人たちの情熱と優しさ、継続的な努力がありました。特に、くるみリーダーと白鳥さんの活動は徹底した現場主義だと感じました。現地の人には何が足りず、それに対し何をすればよいのか。それがわかっているからこそ、長い時間はかかっても、成果が出ているのではないか。インターネットや本などから簡単に情報を得ることできる今。現場を見ずにわかった気になってしまいがちな自分を戒めました。

日本にいたとしても、例えばCHEPの商品を購入することで、生産者の生活向上につながります。私たちが消費者としてものを購入する際に意識をするだけで、生産者に影響を与えるのです。

また、寄付をするにしてもただ漫然と寄付をする、あるいは寄付をして終わり、ではなく、そのお金がきちんと必要な人に届いているのか、見届けることが世界を変える第一歩ではないかと思います。支援者と被支援者がお互いを理解し、つながりを持つことの重要性を感じました。

遠く離れた場所に住んでいても、私たちの小さな行動の変化は、世界のどこかの人に届いていると思います。

私たちにできること

・ものを買うときに作った人の顔を想像してみる

売られているものには必ず作っている人がいます。どんな人が作ったのかな?想像してみましょう。もしかしたら、アフリカにつながっているかもしれません。

ものを買ったお金は作った人に届きます。あなたはどんな人に自分のお金を届けたいですか?

・つもり貯金

あなたの少しの貯金が、困っている人たちの生活を変えるかもしれません。

・水や電気を大切に使う。エコな生活を

「エコ」という言葉が叫ばれるようになってから久しいですが、地球温暖化は止まらず、世界中の人が影響を受けています。そして、最も大変な目に合うのは、カラユの人々のように毎日を必死で生きている人たちです。

・友達や家族に伝えてみよう

エチオピアのこと、アフリカのことを知らない人は周りにたくさんいると思います。話してみましょう。

私はスカウトの皆さんには、2月のシンキングデイで詳しいお話をしたいと思います。


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