アフリカ理解プロジェクト 総合学習・国際理解・国際協力・開発教育 | ||
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No. 5 2009/11/24 ゴミのポイ捨て問題 | |||||||||||||||
みなさま、長らくご無沙汰してしまいました。不定期更新が目立つ教師ダイアリー第五回、またまた更新が遅れている間にエチオピアは無事にエチオピア新年を迎え、エチオピア暦2002年度が始まりました。今年はどんな生徒がやってきて、どんな「みんなの学校」になっていくのでしょうか?新学期が始まってからの二ヶ月を振り返っていきましょう。 エチオピア暦元旦9月11日の翌日から始まる予定の新学期。去年の経験から教師が集まり始めるのは二週間後くらいからなんだろうなぁと予想していたら、なんと!今年は三日目にはほぼ全員の教師が集まり、二週目から早くも授業が始まるという奇跡的なオンタイムスケジュール・・・。今年は何かが違う!と思ったら、なんでも今年はエチオピアの総選挙があるために学校を例年より一ヶ月以上早く終わらせないといけないようです。って、ただでさえ授業数が不足しているのに、これ以上早く終わらせるのって無理なんじゃ・・・と思ったのは私だけではなかったようで、それならば少しでも早く始めよう、ということになったようです。それでも教科書を終わらすのは難しいよねぇ・・・と、教師たちは不安だらけの新年度の幕開けです。 そんな教師たちの不安をよそに、今年の学生たちはとても元気です。「外人の先生に教えてもらうの?」という戸惑いもあった去年に比べ、今年は「ついにヨシ先生に教えてもらえる!」という期待に満ち溢れているようで、初日から「先生、この部分は去年ちゃんと教えてもらってないからもう一度教えて」という要望から「先生、日本語で自分の名前をどうやって書くの?」「先生、結婚の予定は?」などなど、思わずこちらがタジタジしてしまうほどの質問攻めにあってしまいました。今年度は、彼らの期待とエネルギーに負けないように、去年以上にパワフルに教えていかないとな、と思っています。 今年の私の目標は「数学を通じて数学以外の教育を!」。去年の新年度が始まったころは「みんなの学校の数学教育を変えてやろう」と息巻いて数学教育に集中していましたが、エチオピアの教育レベルの現状を知ってしまった今は、数学教育に対してそこまでの目標を持つことはどうしてもできません。割り算が危うい生徒に日本の高校レベルの内容を、しかも日本の二倍の速さで教えることは今の私では到底不可能です。ですので、今年は数学教育に100%集中するのではなく、「日本人じゃないと教えられないこと」も伝えていきたいと考えています。たとえばジェンダーの問題やゴミのポイ捨ての問題は、エチオピアと日本で価値観が大きく違う問題です。そういう問題に関して日本人である私の価値観をみんなに示して、みんなの共感が得られれば一丸になって「みんなの学校」を変えていきたい、と思っています。もちろん、価値観の押し付けになってしまってはいけないので、互いによく話し合いながら、互いに理解しあいながら、私も含めて少しずつ変えていければいいですね。 ゴミのポイ捨て問題に関しては昨年度から活動を始めており、早くも結果が出始めています。昨年度は有志生徒と私で拾っていたのですが、今年度はその活動に触発された同僚教師が自発的に学校内にゴミ箱を設置し、週一回、全校を掃除するなど、徐々にゴミに対する意識も高まってきました。また、教師と生徒が一緒になって木を植えるなど、少しずつ、学校がいい方向に変わっていくのが感じられてうれしい限りです。 それに加え、今年は「サイエンスクラブ」なるものを設立し、実験を通じて学ぶことの本質を生徒たちに伝えていきたいと考えています。エチオピアの理数科教育は「黒板とチョーク教育」で、実験は大学まで全く行われないのが普通です。そのため、生徒は「観察すること」「疑問を持つこと」「試行錯誤すること」が極めて苦手。サイエンスクラブでは「現地で調達できるモノで」「楽しく不思議な実験を」「生徒自身がやる」をスローガンに様々な実験を行っています。クラブが始まってまだ三週ですが、普段の授業では上の空の生徒たちも積極的に参加して実験を行い、先日はペットボトルロケットの飛距離大会を開くなど、滑り出しは順調、ツカミはばっちりです。今後は、「楽しい」から「自分で考える」へとどうやって繋げていけるか、そこが私の腕の見せ所ですね!・・・って、見せるだけの腕があるかどうかは疑問ですが(笑) さて、そういった形で始まった今年の新年度のみんなの学校。今年度を終了する前に、私は帰国となってしまいますが、それまでにやれることをやりきって、同僚教師や生徒を巻き込んで「みんなの学校」をよりよいものにしていければいいな、と思います。そのために、今日も朝から実験道具の買出しだ! S U P P O R T |